第91回(2018年度)アカデミー賞、主要6部門の受賞結果

第91回アカデミー賞授賞式は、2018年の映画を対象とし、2019年2月24日(現地時間)に開催されました。

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助演女優賞

受賞 レジーナ・キング 『ビール・ストリートの恋人たち』
ノミネート エイミー・アダムス 『バイス』
ノミネート マリーナ・デ・タビラ 『ROMA/ローマ』
ノミネート エマ・ストーン 『女王陛下のお気に入り』
ノミネート レイチェル・ワイズ 『女王陛下のお気に入り』

プレゼンターは(立ち位置左から)マーヤ・ルドルフ、ティナ・フェイ、エイミー・ポーラー。

受賞したのはレジーナ・キング。これが初ノミネートで初受賞。

席から立ち上がった際、ドレスの長い裾を踏んでしまい立ち往生。近くの席にいたクリス・エヴァンスが即座に近寄り、優しくレジーナをエスコート。キャプテン・アメリカはここでも紳士。

オスカー像を受け取って感極まり、涙を流すレジーナ。

「この時代で最高の作家、ジェームズ・ボールドウィン(=受賞作品の原作者)のおかげです」

「ジェームズ・ボールドウィンが子供を産み、バリー(・ジェンキンス監督)が育て、愛で包みました」

「私がここに立っているのは、適切なことだと思います。愛と支えを受けるとこのような結果を生み出せる、その手本になったからです」

「ママ、心から愛してます」と母に伝えるレジーナは再び涙、そして母も感無量の表情。「あなたは教えてくれました。『神はいつもあなたを見守ってくれている』と」

助演男優賞

受賞 マハーシャラ・アリ 『グリーンブック』
ノミネート アダム・ドライバー 『ブラック・クランズマン』
ノミネート サム・エリオット 『アリー/スター誕生』
ノミネート リチャード・E・グラント 『ある女流作家の罪と罰』
ノミネート サム・ロックウェル 『バイス』

プレゼンターは、ダニエル・クレイグとシャーリーズ・セロン。

受賞したのはマハーシャラ・アリ。第89回(2016年度)の『ムーンライト』に続き、これが2度目の受賞となりました。

受賞が決まったマハーシャラは奥様とキスした後、共演者のヴィゴ・モーテンセンとハグ。作品中ではプクプクに太っていたヴィゴさん、すっかり元通りの体型になっています。

自身が演じた実在の人物、ドクター・シャーリーに感謝します、とスピーチを始めたマハーシャラ。

「彼がどんな人物で、どのような人生を送ったのか、彼の本質を掴み、全力で演技に反映させました」

「パートナーのヴィゴ(・モーテンセン)、共演できて良かった」

「そしてオクタヴィア・スペンサー(=今作のプロデューサーを務めている)、本当に感謝しています。愛してます」

「この賞を祖母に捧げます。祖母はいつも私の耳元でささやいてくれました。『最初に失敗しても、何度でもトライし続けなさい』。常に前向きでいるよう背中を押し続けてくれました。妻と娘にも感謝しています」

主演女優賞

受賞 オリヴィア・コールマン 『女王陛下のお気に入り』
ノミネート ヤリッツァ・アパリシオ 『ROMA/ローマ』
ノミネート グレン・クローズ 『天才作家の妻 40年目の真実』
ノミネート レディー・ガガ 『アリー/スター誕生』
ノミネート メリッサ・マッカーシー 『ある女流作家の罪と罰』

プレゼンターは、前年に主演女優賞を獲得したフランシス・マクドーマンドと、同じく前年に助演男優賞を獲得したサム・ロックウェル。2人は受賞対象作品『スリー・ビルボード』で天敵を演じていました。

「この場所に戻ってこれて光栄です」とサム。「フランシス、何か付け足したいことはあるかい?」

「ノー」とフランシス。「ノー、ノー、どうもありがとう」。それだけ言って封筒で口を塞ぐフランシス。

受賞が発表された瞬間、オリヴィア・コールマンはパニック。これが初ノミネートで初受賞。

隣席の夫、そして共演したエマ・ストーン、両面から頬にキスされるがままのオリヴィア、席から立つも放心状態のまま、ヨレヨレになりながら壇上へ。「オーマイガー!」を連発しながら自分のことのように喜んで感極まっているエマ・ストーン。

壇上から観客席の拍手を見たオリヴィア、言葉がなかなか出てこず、第一声が「ストレス溜まるわ」。さらにオスカー像を見て笑い出す。「笑っちゃう、オスカー像を持ってるなんて」

やっと冷静になったか、スピーチを開始するオリヴィア。「大勢の人に感謝してます。もし言い忘れた人がいたら、後で見つけた時にキスするので許してください」

「エマ(・ストーン)とレイチェル(・ワイズ)、二人に恋をして一緒に仕事をする関係が本当にラクだった」

「このカテゴリーでこれほどまでに偉大な人たちと並んでノミネートされたのは光栄でした。(観客席のグレン・クローズを見て)グレン、あなたは私のアイドルです。この受賞結果を私は望んでいませんでした。あなたが大好きです」

「お父さんとお母さん…(投げキッスをした後に涙を浮かべ、言葉に詰まる)、言わなくても分かるでしょ」

「家で観てる子供たち、もし観てなかったら『やってくれるわ』って感じだけど、観てくれてると願うわ、だってこんなこと二度と起こらないわよ」

「テレビを見ながらスピーチの練習をしている女の子へ。何が起こるか分からないわよ。私も清掃係として働いていた頃、この時間を想像してスピーチの練習をしていました」

「スピーチ時間がもうないのね? 分かりました、OK。(その直後に口でブーーと音を鳴らして反抗的態度)」

「夫で親友のエド、とても愛してる。25年間ずっと私の最大の理解者でした。彼、泣きそうになってる。私は泣かないけど」

最後には目に入った全ての人にお礼を言い始めるオリヴィア。プレゼンターのフランシスやサム、そして同じく主演女優賞候補だったレディー・ガガを見つけて投げキッス。ガガも満面の笑顔でキス返し。

爆笑スピーチに最後は観衆が盛大な拍手とスタンディングオベーションでオリヴィアを祝福しました。

主演男優賞

受賞 ラミ・マレック 『ボヘミアン・ラプソディ』
ノミネート クリスチャン・ベール 『バイス』
ノミネート ブラッドリー・クーパー 『アリー/スター誕生』
ノミネート ウィレム・デフォー 『永遠の門 ゴッホの見た未来』
ノミネート ヴィゴ・モーテンセン 『グリーンブック』

プレゼンターは、前年に主演男優賞を獲得したゲイリー・オールドマンと、同じく前年に助演女優賞を獲得したアリソン・ジャネイ。

「昨年、私たちって似たような役柄で受賞したわよね」とアリソン。

「そのとおりだね」とゲイリー。「キミは、厚かましくて、問題が多く、ウィスキー好きで、タバコばかり吸ってる役だったな」

「そのとおり」とアリソン。「そしてアナタが演じたのは、チャーチル」

受賞したのはラミ・マレック。これが初ノミネートで初受賞。

受賞作『ボヘミアン・ラプソディ』で共演し、実生活でも恋人関係となったルーシー・ボイントンと何度もキスをし、さらには熱く抱擁するラミ。少々戸惑ってるルーシーは、ラミについてしまった口紅を取ってあげています。

「母がどこかにいるはずなんだ」とスピーチを始めるラミ。「母と家族に感謝しています。父には見せることができなかった。でも天国で見てくれていると思います」

「クイーンの皆さん、すばらしい伝説の一端を担えたことは光栄でした」

「子供のラミに、いつかこんな事が起こるよと伝えたらどう思うだろう。彼は自分のアイデンティティに悩み、自分のことを理解しようとしていました」

「僕たちが作ったのは、人に媚びず、自分らしい人生を生きた移民の同性愛者についての映画です。その物語を今夜祝福していることこそ、このような物語がもっと語られるべきであることを示しています」

「僕はエジプトからの移民の息子で、アメリカでは1世です。そんな僕のストーリーは今まさに描かれている」

スピーチの最後は愛する恋人へ。「ルーシー・ボイントン、キミこそがこの作品の心だ。キミの才能に僕は心惹かれたんだ。ありがとう」

監督賞

受賞 アルフォンソ・キュアロン 『ROMA/ローマ』
ノミネート スパイク・リー 『ブラック・クランズマン』
ノミネート パヴェウ・パヴリコフスキ 『COLD WAR あの歌、2つの心』
ノミネート ヨルゴス・ランティモス 『女王陛下のお気に入り』
ノミネート アダム・マッケイ 『バイス』

プレゼンターは、前年に監督賞を受賞したギレルモ・デル・トロ。

「発音が難しいんだよね」と言って受賞者を発表するデル・トロ監督。受賞したアルフォンソ・キュアロン監督はこれが4度目の受賞(監督賞が2回、編集賞が1回、そして今回は撮影賞も受賞)。

ステージに上がったキュアロン監督と熱くハグを交わすメキシコ仲間のデル・トロ監督、ハグが熱すぎて肝心のオスカー像を渡し忘れています。

何も持たず手ぶらでスピーチを始めたキュアロン監督。「ここは何度来ても飽きないね。ギレルモにも飽きないよ」

「大勢の人々、特に(主演の)ヤリッツァ・アパリシオと、(助演の)マリーナ・デ・タビラ、この2人のおかげです」

作品賞

受賞 『グリーンブック』
ノミネート 『ブラックパンサー』
ノミネート 『ブラック・クランズマン』
ノミネート 『ボヘミアン・ラプソディ』
ノミネート 『女王陛下のお気に入り』
ノミネート 『ROMA/ローマ』
ノミネート 『アリー/スター誕生』
ノミネート 『バイス』

プレゼンターはジュリア・ロバーツ。

受賞した『グリーンブック』は合計5部門にノミネートされ、3部門で受賞。

2番目にスピーチをしたピーター・ファレリー監督。「この作品は愛の物語です。その立役者はヴィゴ・モーテンセン。彼なしでこの作品と数々の受賞はなかった。ヴィゴ、マハーシャラ(・アリ)、リンダ(・カーデリーニ)にこの賞を捧げます」

「そして(製作総指揮を務めた)オクタヴィア・スペンサー、ありがとう」

日本関連の受賞・ノミネート

外国語映画賞に是枝裕和監督の『万引き家族』がノミネートされましたが受賞はならず。受賞した『ROMA/ローマ』は作品賞を獲るかもしれないとウワサされていたほどの大作ですから、相手が悪すぎました。

また長編アニメ映画賞には細田守監督の『未来のミライ』がノミネートされましたが、こちらも受賞はならず。受賞したのは『スパイダーマン:スパイダーバース』で、こちらも事前予想で「受賞間違いなし」と太鼓判を押されていた大作でした。

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最多ノミネートは10部門の『ROMA/ローマ』。Netflix作品のため注目されていましたが、最終的には監督賞を含む3部門を受賞。商業的に大成功を収めた『ボヘミアン・ラプソディ』が最多4部門で受賞しました。

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