まだ無名だったシルヴェスター・スタローンが自ら脚本を執筆し、主演を務めたボクシング物語。大ヒットとなり、作中のロッキーそのままに、スタローンにとってアメリカン・ドリームとなる代表作となりました。
その後にシリーズ化され作品の世界観も拡大。2015年からは老いたロッキーがトレーナーとなり、かつてのライバル・アポロの息子を指導する新シリーズも展開されています。
「ロッキー」シリーズ
ロッキー
フィラデルフィアに暮らす無名のボクサー、ロッキー・バルボア(シルヴェスター・スタローン)は、ボクシングだけでは生活が出来ず、借金取り立てで日銭を稼ぐ日々。ペットショップに勤める女性、エイドリアン(タリア・シャイア)に恋をして、徐々に親しくなっていきます。
そんな中、ボクシング世界チャンピオンのアポロ・クリード(カール・ウェザース)は自分の知名度と人気をアップさせるため、タイトルマッチの挑戦者に無名のボクサーを抜擢することを画策。ニックネームが面白いという理由だけで、ロッキーに白羽の矢が立ってしまいます。
テーマ曲
ロッキー2
世界王者アポロ(カール・ウェザース)との死闘で有名になったものの、ボクシングを辞めて恋人エイドリアン(タリア・シャイア)と結婚したロッキー(シルヴェスター・スタローン)。精肉工場で働き始めるものの、不況のため解雇されてしまいます。
自分にはボクシングしかないと悟ったロッキー。王者アポロから再戦を求められ挑発されたこともあり、現役復帰を決意。しかしロッキーの体を心配する妻エイドリアンだけでなく、トレーナーのミッキー(バージェス・メレディス)からも復帰を猛反対されてしまいます。
シリーズ2作目からは、主演&脚本のスタローンが監督も兼任するようになりました。
テーマ曲
ロッキー3
世界チャンピオンとなり、大富豪にもなったロッキー(シルヴェスター・スタローン)。幾度の防衛戦に勝利し、地元フィラデルフィアの美術館に自身の銅像が設置された日、除幕式の席上でロッキーは現役引退を発表。しかし発表を聞いていた世界ランキング1位のクラバー・ラング(ミスター・T)から「俺から逃げている」と挑発され、激昂したロッキーは試合を受諾。
試合を猛反対していたトレーナーのミッキー(バージェス・メレディス)をなんとか説得したロッキー。しかし試合当日、控室でミッキーは心臓発作を起こし重篤な状態に。セコンド不在で試合に臨んだロッキーは惨敗。ミッキーも亡くなり、ロッキーは失意のどん底に突き落とされてしまいます。
ボクシング世界王者ロッキーと異種格闘技戦を闘うプロレスの世界王者として、当時現役プロレスラーだったハルク・ホーガンが出演。ホーガンもこの作品への出演を機にアメリカン・ドリームを体現していくことになります。
テーマ曲
ロッキー4/炎の友情
ソビエト連邦のボクサー、イワン・ドラゴ(ドルフ・ラングレン)が訪米し、世界王者ロッキー(シルヴェスター・スタローン)との対戦希望を表明。ロッキーの代役として親友でありトレーナーでもある元世界王者のアポロ(カール・ウェザース)が試合を受諾します。
ラスベガスで開催されたエキシビション形式の試合は陽気な雰囲気で始まったものの、ドラゴの危険な本質を察知したロッキーは試合中止を要請。しかしドラゴは猛攻を止めず、倒れたアポロは敗北、そして急死。ロッキーはドラゴとの対戦を受諾し、敵地ソ連へと乗り込みます。
ドラゴの妻でマネージャーでもあるルドミラを演じたブリジッド・ニールセンは、今作での共演を機にスタローンと交際を始め、劇場公開の翌年にスタローンと結婚。しかし1年後に離婚してしまいました。
テーマ曲
ロッキー5/最後のドラマ
ソ連での激闘を終えてアメリカに帰国したロッキー(シルヴェスター・スタローン)。しかし会計士の不正により破産、更には長年のダメージ蓄積により脳障害も発覚し、妻エイドリアン(タリア・シャイア)にも説得されたロッキーは遂にボクサーを引退。
トレーナーとして第二の人生を歩み始めたロッキーは、かつて自身のトレーナーだったミッキーのジムで若手白人ボクサー、トミー・ガン(トミー・モリソン)を指導。しかしトミーは黒人プロモーター、デューク(リチャード・ガント)に引き抜かれてしまいます。
今作でロッキーの息子、ロッキー・ジュニアを演じたのは、スタローンの実子であるセイジ・スタローン。(ブリジッド・ニールセンではなく、最初の奥さんとの子供)
テーマ曲
ロッキー・ザ・ファイナル
前作から16年ぶりに制作された、ロッキーとしてのシリーズ完結編。
プロボクサーを引退し、妻エイドリアンに先立たれたロッキー(シルヴェスター・スタローン)は、小さなイタリアン・レストランを経営し、客に現役時代の活躍話を聞かせる日々。ある日、現在の世界王者メイソン・ディクソン(アントニオ・ターバー)と自身との実力を比較するテレビ番組で、自分が痛烈に批判されているのを見てしまったロッキーは老年ながら現役復帰に向けて動き始めます。
今作で再び監督に復帰したスタローンは、公開前のネタバレを防ぐため4種類の結末を撮影。リリースされているディレクターズカット版には、劇場公開版とは異なる結末が収録されています。
シリーズ通して妻のエイドリアンを演じていたタリア・シャイアは、当然ながら今作にも出演するつもりだったものの、エイドリアンは死去している設定なのもありスタローンにキャスティングされず、少しだけでも出演したいと申し出た彼女の意向も全て却下され、怒ったシャイアは半年間スタローンと口を利かなかったというエピソードが報道されています。
その後シャイアは今作のプレミア上映に招待され、エイドリアンが登場しないことの意味を理解したのだそうです。
「クリード」シリーズ
クリード チャンプを継ぐ男
ロッキーのライバルで親友だったアポロの息子、ドニーを主人公とした新シリーズ1作目。
元世界チャンピオン、アポロ・クリードの隠し子として、アポロsが死去した後に生まれたドニー・ジョンソン(マイケル・B・ジョーダン)は、アポロの正妻メアリー・アン(フィリシア・ラシャド)に引き取られて不自由のない生活を送り、立派な青年へと成長。
ボクサーになる夢を持っていたドニーはフィラデルフィアに行き、かつての父のライバル、ロッキー(シルヴェスター・スタローン)に自身のトレーナーを請うものの、ボクシングと距離を置いていたロッキーから断られてしまいます。
クリード 炎の宿敵
ロッキー(シルヴェスター・スタローン)の指導のもと、強さを発揮し始めるドニー(マイケル・B・ジョーダン)。私生活では恋人ビアンカ(テッサ・トンプソン)と結婚し、娘も誕生。
一方、かつてロッキーと対戦した元ソビエト連邦のボクサー、イワン・ドラゴ(ドルフ・ラングレン)は、ロッキー戦の敗北により地位も名誉も失って貧しい生活を送りつつ、息子のヴィクター(フロリアン・ムンテアヌ)を最強ボクサーに育て上げ、ロッキーへの復讐を狙っていました。
ドラゴ役のドルフ・ラングレンと同じく、『ロッキー4』でドラゴの妻ルドミラを演じていた、私生活ではスタローンの元妻だったブリジッド・ニールセンも同じ役で再出演したことが大きな話題となりました。